連載シリーズ「日記」

 

広く大きい、そして大量に本が並ぶこの図書館に、たった一冊だけ存在する「日記」。

 

それは、「わたし」が唯一書き、そして自動的に記録されていく本。 

 

このシリーズでは、そんな「日常」の中から何枚かをご紹介します。

  

 

※(noteでは画像ではなく文章版を公開します。)

※日記の日付が現在に追いつくまでは不定期にまとめて更新、追いついてからは定期的に更新します。


EXコンテンツ:物語のカケラ

架月深夜の物語、そのほんの表面を散りばめた

 

物語のカケラ

 

またの名前を、

 

フラグメント -Fragment-

 

と呼ばれるもの。

 

それは主にTwitterで見られるもので、その特性上時間が経てば 自然と忘れてしまう ものばかり。

一つ一つ、全てを集めるのは困難なそのカケラたちを、特別に少しだけ集めてみました。

 

時に謎解き、時にこぼれ落ちる隠された本音を、あなたは見つけることができますか?

 

「それはまるでユメのように。」

Fragment01:

独白

ツイート日時:2019.10.24

 

“If this memory someday disappears like a dream.

I thought that would be one of the answer.”

 

直訳した意味は

「もし、この記憶がいつか夢のように消えたなら。」

「私はそれを、一つの答えだと思うだろう。」

 

Twitterをはじめて一ヶ月も経たないうちにつぶやかれたこの一言。

記憶が消える、それもまた答えだと言った(しかも英語)彼女の本意はどこにあるのか。

そして、その答えとはどこにあるのか。

 

 

Fragment02:

少女の現日記

(※一部改変済)

ツイート日時:2019.10.24

 

「夜空が見た●

と 願う ●は

 我儘 ですか

 

夜● に 輝く

こどく な 月 を

愛しい ● と 思う のは

わがま● ですか

 

このまま ●●ていた●

と ●む のは

よくばり で●●うか」

 

(ところどころ字が滲んでいて読めない)

 

2つ目のカケラは、日記。

それも、“現(うつつ)”日記。

現実とは一歩離れたバーチャル世界で生きる少女の現実は特別なもので、

その証拠に彼女はよく対照的にユメのことを口にします。

(本サイトプロフィールでは、

「ようこそ、わたしのユメセカイへ。」

表記されている。)

ユメは夢のことなのか、それとも全く別のなにかのことなのか。

また、文字が滲んでしまったのは何故なのか。

……日記の文章が次第にひらがなばかりになっていくのは、何故なのか。

謎はまだまだ、解けそうにありません。

 

Fragment03:

no title

ツイート日時:2019.12.20

「生きるの美しさは、対であるを知ってこそわかるものだと思う。反対も然り。」

 

「命ある限り死は等しく与えられ、それは神が我々に与えた唯一の平等な価値。

生まれた瞬間、君は死ぬって決まったんだよ。

 

「ねえ、君。君は生と死、

どちらが美しいと思う?

 

 

クリスマスを目前に控えたある日につぶやかれたこのツイートは、よくも悪くも彼女らしくな内容でした。

生と死の価値観について問う言葉と、生を否定する作文のような画像が貼られたそれは、

異質極まりなく、そして同時に、「架月深夜」のイメージも大きく変えた一言でしょう。

 

それもそのはず。

このあとのツイートで彼女はこれが自身ではなく、

友人である「彼」が遺した言葉だと明かしました。

社会を嫌い、数学を好んだその人物はすでに故人であり、

それでも少女にとっては、多大な影響を与えた人物だった、と語られています。

 

「私だけは彼の友人だったのです。」

「……少なくとも、私はそう思っていましたよ。」